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iDeCoを20代から始めることはありか?

私も行っている個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)。

運用期間が長くなればなるほど、資産運用には有利に働くため、できるだけ早い年齢から始めることがよいように思われます。一方で、年金という性格上、いくつかの制約もあるため、あまりに早く始めてしまってよいものかどうかという考えもあるでしょう。

今回は、この制度を20代から始めることについて、考えてみたいと思います。

税金が優遇される制度です

まず、イデコの概要ですが、簡単に言えば、自分で自分の年金を用意する制度です。毎月、定額を積立て、それを運用し(運用方法や投資先のファンドは自分で選択します)、60歳になったら一時金や年金という形で引き出して、老後の生活に使うということです。

この制度は、国が「自分の老後の資産は、自分でなんとかしろよ」って感じで用意していると、私は受けとっているのですが(公的年金はあてにできない!?)、制度を普及させるそのために国は税金で優遇する仕組みを設けています。

たとえば、拠出額を全額所得控除の対象とすることで、所得税が軽減されますし(会社員であれば年末調整で還付されます)、運用益は非課税、60歳以降に受取時も税控除を受けられます。

このように、税金の関係で見れば、優遇措置が設けられており、老後の資産を形成するには、活用をぜひ検討したい制度となっています。

20代からはじめるべきか?

さて、今回検討したいのが、「20代でイデコを始めるべきかどうか」です。

私は現在イデコに加入していますが、実は加入するかどうかで大変迷いました。その理由は、イデコの制度にあります。

先に述べたように、イデコには税金の優遇措置があり魅力的なのですが、1点、気をつけなければならないことがあります。

それは、『60歳まで引き出すことができない』ということです。つまり、60歳までは積み立てるばかりで、引き出すことは一切できない、使えない資産になってしまうのです。まあ、年金として積み立てる以上、当然と言えば当然なのですが・・・税金で優遇されることとのバーターになります。

最短でも60歳まで引き出せないということ、積み立て開始が早いほど、自由に使えない資産としての期間も長くなるということを意味しますので、私のように20代後半からイデコを始めた場合、60歳までの30年余りは「使えない資産」となってしまうのです。

また、あるインターネットの記事にあったのですが、20代や30代は、イデコに積み立てるより、「自分に投資」したほうがよいというものがありました。

こういう記事を読むと、「うーん、どうしよう」と悩んでしまうわけです。

それでも、やることにしました!

それでも、私はイデコをやることに決めました。理由は、

  1. 長期間の投資ほど、プラスになる可能性が高くなると考えたから
  2. 毎月、つみたてNISAや特定口座で積み立てているものも、結局はバイ・アンド・ホールドで、よほどのことがない限り売却しないので、その一部をイデコに振り替えると考えることにしたから。もし、どうしても資産を換金する必要があれば、つみたてNISA分をそれにあてればよい。
  3. 自分への投資は、「リターン」がよくわからない

まず、1ですが、インデックス投資でよく言われていることですが、投資期間が長期になればなるほど、プラスになる(世界経済が今後も成長し続けることが変わらない限り)と言われています。時に、大暴落することもあるでしょうが、いつかは回復するので、最終的にはプラスになるということです。

リーマンショック時も、ドーンと暴落しましたが、その後リーマンショック前を上回る水準まで回復しています。

上げ下げをしながらも、右肩上がりの成長が信じられるならば、長期投資は報われる可能性が高い。ましてや、30年間運用できるのであれば、(たぶん)大丈夫と考えています。「いつやるか、今でしょ」というわけ。若いうちから始めておくことが大事なのです。時間は、巻き戻すことはできません。若さ、時間という武器を生かすには、今からはじめるチャンスを逃す手はないと思います。

2の理由については、そのままです。どうせ、インデックス投資の積み立てをするなら、一部をイデコでしても大丈夫だろうということです。

3の「自分への投資」をしたほうがよいという意見については、「リターン」がはっきり現れるのか不明なので、無視することにしました。自分に投資したところで、リターン、つまり収入がよくなるのか保証はありませんし、セミリタイアしたいと思っている以上、自分への投資はムダだと悟りました・・・

慎重な検討が必要

イデコは、とても魅力的な制度ですが、はじめるに当たっては、検討すべきこともあります。問題になるのは、「60歳まで引き出せないこと」このことにつきると思います。そこを考えて、自分の資産状況、そういったものを勘案して、加入すべきかどうか、あるいは、加入したとして、月にいくら積み立てるのか、そこを考えればよいと思います。