過労死する前になぜ退職を選ぶことができないのか?
先日、ネットのニュースでこのようなものを読みました。
「24歳の彼は、正社員のなった翌月、寝ずに働いて過労事故死しました。」
記事タイトルで言及された男性は、徹夜で働いたあとにバイクを運転し、電柱にぶつかって亡くなったそうです。24歳という若さで。
世の中では、「働き方改革」などと言って、残業時間の上限を規制するなど法規制などが強化されるようですが、果たして日本社会に染みついた労働慣習がそう簡単に変わるものでしょうか。大いに疑問です。もちろん、何も取組をしないよりはマシでしょうが・・・
私はセミリタイアということを目標にしているわけですが、ほとほとそういった日本の「会社」という組織に属して働くことに嫌気がさしているのです。なぜ、みんな、そんな過酷な状態に耐えてまで働かねばならないのでしょうか。今回は、「働く」ということに意味を考えてみたいと思います。
なぜ過労死するまで働くのか?
先ほどの記事によれば、事故死した男性の勤務は次のようなものだったようです。
初出勤の翌月のタイムカードを見ると、クリスマス前の繁忙期ということもあって時間外労働がかなり長く、午後10時までに終わった日は6日だけ。退勤時刻が午前3時を過ぎた日が8日もありました。休みは5日間のみ。なかには退勤時間と出勤時間の間隔が、わずか3時間という日もあります。
男性は、元々はアルバイトで勤務しており、頑張れば正社員になれるということを目標に、過酷な勤務をこなし、晴れて正社員となったのですが、そこでバイク事故を起こして亡くなってしまったのです。
いわゆる「過労死」と言ってもよいと思います。商売ごとで繁忙期であったのでしょうが、これではもはや「奴隷」と言ってもよい。特に退勤時間と出勤時間の間隔が3時間というのは、個人的にはとても考えられないです。
これで、体調がおかしくならないほうがおかしいですね。私であれば、間違いなく退職を選らんでいたでしょう。
この男性の場合は、正社員になりたいという思いがあったからでしょうが、その思いを会社にうまく利用されたとも言えます。
死ぬくらいなら、なぜ退職を選べないのか?
日本では、「過労死」の問題が後を絶ちません。先の例では、結局事故という形で亡くなっていますが、本当に突然死してしまったり、精神を病んでしまったり、あるいは自ら死を選ぶという話も、残念ながらありふれたものになっています。
こういう話を聞くと、「どうして死ぬくらいなら、会社を辞めないのか」ということをいつも疑問に思います。
もちろん、生活していくために働かないといけないというのは、分かるのですが、そこまでする必要があるのかということです。
「仕事が俺の人生の全てだ!」というような人はいざ知らず、大多数の人にとって、仕事は生活の糧を得る手段という意味合い以上のものはないでしょう。できれば働きたくない。
私もそんな思いを持っていて、60歳まで(70歳?)まで会社に勤めるなんて嫌だという思いからセミリタイアを計画した次第です。人生の時間は有限です。その限られた時間を、会社という牢獄に閉じ込められたままで使ってしまいたくないという思いです。
しかし、実際に過労死するような仕事を日々こなしていると、感覚がマヒしてくるのかもしれない。仕事に追われ、仕事をこなすことしか考えられなくなって、それ以外の視点から考える余裕が失われてしまう・・・そして、悲劇的な結末を迎えてしまうのです。私も、以前の職場で終電帰りが何週間も続いたときがあり、そのときは本当に体調が悪くなって冷静に考える余裕を失っていたように思います。その状態がさらに続いていれば、私も危なかったかもしれません。
そのほか、退職を考えられない理由としては、単純に経済的な問題。日本では一旦正規の職を失ってしまうと、再び就職することが非常に難しい。景気が良ければ転職市場もある程度あるかもしれませんが、年齢的な問題もあって、転職を望む人がみんなそうできるわけではない。そう考えると、どうしても現在の職にしがみつくしかなくなる。これが一番大きいのではないかと思います。
セミリタイアを計画することでいつでも退職できる
私は、セミリタイアを計画しています。そのために、投資をしたり節約をしたりしてある程度の資産を築くことができています。
資産ができて変わったことは、どうしても今の仕事にしがみつかなくてはという思いが薄れてきたことです。もちろん、まだリタイアするには全然額が足りませんが、最悪今の状態で会社を辞めたとしても、バイトだけでも何とか生活できそうな感じはしています。
また、セミリタイアの考えを深めていく中で、会社に勤めることが心底虚しく、どうでもよいことだと気づくに至りました。どうしたって、何十年後かには死んでしまうのだし、人類もいつかは絶滅し、地球も宇宙から消え去る日がやってくるのです。そう考えると、嫌な会社に行くこと、まして過労死するレベルまで働くことに耐えることって、なんの意味があるんだろうと思うのです。
幸い現在の部署は、そんなに残業があるようなところではないのですが、他の部署ではそれこそ不夜城みたいなところもある。そんなところに異動になったらと思うと恐怖しかありません。絶対に自分には無理です。そうなれば、もう退職も選択肢に入ってくるかもしれません。
そういったことも考えて、貯金できるうちにできるだけ資産を作っておきたい。そうすれば、退職という決断も後押ししてくれるはずです。