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「個別株」か「投資信託」か?長期で考えればやはり「投資信託」だと思う理由

株式投資のやり方はいろいろあります。

その中で、誰もが一度は「個別株」のほうがいいのか、あるいは「投資信託」のほうがいいのかということを考えたことがあるのではないでしょうか。

別に、どちらかにしないといけないということはないので、両方買っているという人も多いと思います。

投資の目的でも向き・不向きはあると思います。短期トレードなら個別株でしょうし、私のように長期目線なら投資信託というように。

私は投資信託ETF(上場投資信託)を積み立てで買っています。時折、個別株の方が儲かるのではないかという思いを持つこともありますが、今回改めて自分には投資信託が向いているなと思ったお話です。

個別株はハイリスク・ハイリターン

当たり前ですが、個別株は、株の集合体である投資信託(ここではインデックスファンドの意)よりもハイリスク・ハイリターンです。

例えば、アマゾンの株を10年前に買っていれば、今頃はかなり儲けていたはずですね。リターンは、市場平均であるインデックスファンドを上回っているでしょう。

しかし、その逆もしかりです。

投資している企業が倒産してしまえば、大きな損失になることは目に見えています。

最近でも、倒産はしていませんが、石油大手の「ロイヤル・ダッチシェル」という会社が、配当金を2/3カットすると発表しました。この会社は第二次大戦後は減配したことがなかったそうです。

新型コロナウイルスの影響で、石油の需要が大きく減少し、石油価格が大きく下落した影響とのこと。

元々、高配当銘柄でしたが、「コロナショック」による株価の下落で、単純計算した配当利回りが10%を超えていました。

白状すると、私も買ってみようかと少し興味を持っていたのですが、減配のニュースを聞いて「買わなくてよかった」と思った次第です(それでも、配当は高いほうでしょうし、投資チャンスと考えることも可能です)

「個別株」か「投資信託か」

今回のロイヤル・ダッチシェルの減配のニュースで、改めて個別株に投資するのは、私のような「シロート」には難しいと思いました。

個別株を持っていると、その企業の業績は?ライバル企業の状況は?米中貿易摩擦の影響は?イギリスのEU離脱の影響は?・・・・といろんなことを気にしないといけません。

状況に応じて買ったり売ったりするというのは、素人には難しいです。

その点、投資信託(インデックスファンド)であれば、株式市場が消滅しない限りは価値がなくなることはありませんし、長期的に見れば経済成長に乗っかっていくだけなので気楽です。

また、組み入れ銘柄の入れ替えなども勝手にしてくれますので、個別株を自分で管理する手間もかかりません。

インデックスファンドの場合は、言い方は悪いですが、ダメになった企業は外されて、新しく成長した企業が自動で組み込まれるのです。

そう、市場では常に「新陳代謝」が起こっているのです。個別株に投資するということは、衰退していく企業に運命を預けてしまう可能性もあるのです。

「盛者必衰」を歴史は人間に示してきた

私のように長期、20年~30年くらいのスパンで投資するには、やはり投資信託が適していると思います。

今絶好調のGAFAと呼ばれる企業も、30年後にどうなっているかはまったくわかりません。

30年後も大企業として君臨しているかもしれないし、逆に「ああ、そんな会社が昔あったね」となっているかもしれない。

「盛者必衰」は歴史の常であることを忘れてはいけません。

古代ローマ帝国も、ヨーロッパ最強の経済大国だったヴェネツィア共和国も、興隆のあとには必ず衰退期を迎えたのです。繁栄から衰退に至る期間はそれぞれですが、国であれ、企業であれ同じことです。

古代ローマ人たちも、自分たちの国もいつか滅びることを悟っていました。北アフリカの強国カルタゴ攻めを命じられたスキピオエミリアヌスは、最期の時を迎え炎上するカルタゴの街を見て、ホメロス叙事詩の一句を口にしたのでした。

「いずれはトロイも、王アプリモスと彼に続くすべての戦士たちとともに滅びるだろう」

背後に控えていた友人のポリビオスは、なぜ今その一句を、とローマの勝将にたずねます。

「ポリビウス、今われわれは、かつては栄華を誇った帝国の滅亡という、偉大なる瞬間に立ち会っている。だが、今、私の胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかはわがローマも、これと同じときを迎えるであろうという哀感なのだ。」

盛者は必衰であることを、歴史は人間に示してきました。アマゾンやアップルだって例外であるはずはありません。国単位で言えば、アメリカの覇権も30年後にはどうなっているか分かりません。

難しいのは、衰退期に入ったかどうかは、あとになってから結果的に分かるものだということです。そのあたりを見極められるのが、「プロの投資家」なのかもしれません。

そんな見極めができそうにない私のような素人投資家はやはり、投資信託で「長期・分散」しておくのが適しているように思いますね。