年100万円の配当金を得るにはいくら必要なのか?
最近よく考えているのが、「配当金」のことです。セミリタイアしたいと考えている人は、一度は配当金収入だけで生活できたらいいなと思ったことがあるのではないでしょうか。
私も、配当金狙いで「HDV」という海外ETFに投資していますが、まだまだまとまった金額の配当金を受け取るにはほど遠い状況です。
1つの目安として年間100万円の配当金があれば、心強いなあと最近考えています。
配当金100万円プラスパートかアルバイトで、生活費をまかなうというイメージです。
配当金を出さずに再投資してくれる投資信託の方が、トータルリターンを考えると効率がいいのかもしれませんが、やはり定期的に現金が入ってくる魅力は捨てがたいものがあります。
それで、年間100万円の配当金を得るにはどれくらいの資産を投じる必要があるのでしょうか。
HDVで考えてみる
HDVは、高配当な米国株式をセットにしてくれた上場投資信託(ETF)です。
https://tiberius-caesar.com/hdv-kousei-meigara
エクソンモービルやP&G、コカ・コーラといった有名な会社の株式で構成されています。
高配当というだけあって、およそ3%~3.5%くらいの配当がもらえます。
では、仮にHDVだけで配当金を100万円もらおうとすると、どれくらい保有する必要があるのでしょうか。ここでは、仮に3.5%として計算してみます。
計算は、簡単で100万円÷3.5%で出せます。
すると、おおよそ2,860万円となります。確かに大金には間違いありませんが、無理ではないように思えます。
しかし、そううまくはいかないのです。
税金という落とし穴
当然のことながら、配当金には税金がかかります。
日本では、20%の税金がかかります。
さらに、アメリカの株式の場合には、日本で受け取る前にアメリカで税金が持って行かれるのです。アメリカで10%の税金がかかります。
つまり、100万円の配当金に対して、まずアメリカで10%の税金がかかり、90万円になります(もちろん、受取は「ドル」ですが、簡略化のため円で表記します。以下同じ。)
そして、90万円に20%の税金がかかるので、手取りは90万円×80%=72万円になってしまいます。
結局、手元に残るのは72万円という結果に。この結果、実質利回りは72万円÷2,860万円=約2.52%となります。
なんだか、がっくりしてしまいますね。税金が憎らしい。
手取りで100万円を得るには?
では、税金を除いた手取りで100万円を得るには、いくらの資産が必要なのでしょう。
計算は、こうなります。3.5%に対する実質利回りは、先ほど確認したように、3.5%×90%×80%=2.52%です
100万円÷2.52%=約3,970万円です。
必要な金額が1,000万円以上も増えてしまいました。重ねがさね税金が恨めしい。
利回りを上げるには?
税金というファクターを考えると、実質利回り3%を実現するのもかなり難しく思えます。
実質3%を実現するためには、税引き前で4.2%ないとダメです。高配当とはいえ、やはりETFでは難しいですね。
もし、利回りを上げるなら個別株も保有しないとダメでしょうね。アメリカの個別株なら5%を超えるものも結構あるようですし。そういったものとETFを組み合わせていくしかないように思います。
アメリカ企業の株式には、10%の税金がかかりますが、それがかからないADRというものもあります。
ADRの正式名称はAmerican Depositary Receiptと呼ばれ、日本語では米国預託証券という名称で知られています。ADRの仕組みを簡単に述べるなら、米国以外の国で設立された企業が発行した株式を裏づけとして米国で発行される有価証券となります。ADRそのものは厳密には株式とは言えませんが、裏づけとなる株式から生じる経済的権利の全てを含む有価証券であるために、株式を保有するのとほぼ同じ効果を得ることができます。 ー楽天証券HPより
簡単にいうと、アメリカ以外の国の会社の株式(厳密には異なる)もアメリカ証券取引所で取引できるというものらしい。
例えば、「ユニリーバ」という会社はイギリスとオランダに本拠のある会社ですが、これもアメリカで取引ができるという感じです。
これには、10%の税金がかからないらしい。ADRの中には、結構高配当な会社も多いので、一考に値するかもしれません。
配当金重視でいくのか、それとも値上がり期待で投資していくのか・・・難しいなあ。