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「桜を見る会」には呼ばれても行きたいとは思わない

テレビのワイドショーなどで世間を騒がせている「桜を見る会」。

税金が使われている行事にも関わらず、総理、あるいは総理夫人の個人的な招待枠があったのではないかとか、マルチ商法詐欺会社の社長を呼んでいたのではないかとか、総理の後援会の人が大挙して招待されていたのではないか・・・などなど、数々の疑惑が取り立たされています。

名簿をシュレッダーにかけただの、データを復元できないだのと、大騒ぎしていますが、これらも国会が閉幕して年末特有の雰囲気の中でウヤムヤになっていくのでしょうね。なにせ、世間は「今年の漢字」や「紅白歌合戦」のほうに興味があるようですからね。

隠ぺいしていることが丸分かりの答弁や野党の下手なパフォーマンスも毎度のことで、桜を見る会がどうなろうと実はどうでもよい。

むしろ、私が興味を持ったのは「桜を見る会」などというイベントにかくも多くの人が「行きたがる」ということ。

みんな、何がうれしくてそんなイベントに行きたいのでしょうか。

桜を見る会に参加したい?

桜を見る会には、1万人以上が参加しているらしい。ちなみに今年は1万8000人とのこと。

中には、何か功績を挙げて招待された人もいるのでしょうが、政治家の後援会に入って応募した人も多くいるのでしょうね。総理の後援会では、ツアーにもなっていたようですし。

しかし、私にはそういったイベントに参加したいという考えがまったく理解できません。

桜を見る会のようなイベント、まして政治家が参加しているイベントなのですから、その空間は「欺瞞」で充満していることでしょう。

「建前」「おべっか」「ごますり」にあふれ、開会の辞から閉会の辞までウソウソウソがゴキブリのように這いまわっていることは、想像に難くありません。

私はそういう空間にいることが、気持ち悪くてしかたがないのです。こうしたことは、身近なところでは「結婚式」のような場面で生じます。

https://tiberius-caesar.com/kekkonshiki-igokochi-warui

そういった雰囲気がまったく気にならない人、いやむしろ喜んでその雰囲気に入っていく人には感心してしまいます。

桜を見る会に招待されてのこのこと参加する人たちも、そういった人たちなのでしょうね。

桜を見る会は一応、功績のある人をたたえるということになっているはず。人の功績をたたえるイベントも居心地の悪いことでは、結婚式に勝るとも劣らない。

ニーチェもこう言っています。

功績に伴ううぬぼれは、功績のない人のうぬぼれよりも一層気を悪くさせる。功績だけでも気を悪くさせるものだからである。

時間を大切に使うために

さらに、言ってしまえば「時間の無駄」とも言える。そんなところにわざわざ行ってなんの意味があるというのか。

いや、厳密に言えば行きたい人の気持ちは分かるのです。つまり、社会的に地位のある人やテレビで見るような有名人に会うことで、自分が特別な人間のように思える、その高揚感を求めているのです。

しかし、それはなんと虚しいものなのでしょうか。有名人に会ったからと言って、自分はまったく偉くもなんともないのに!

結局、自分の貴重な時間を浪費しただけなのです。

自分の時間を大切にしたい人は、こうしたことを注意深く避けなければなりません。

セネカも次のように述べています。

我々は短い時間を持っているのではなく、実はその多くを浪費しているのである

しかし、こう考える人は少数派なのでしょう。桜を見る会にうれしそうに参加する人はあとを絶たず、日本中の至るところで「結婚式」「記念パーティ」「感謝の集い」・・・は絶え間なく行われているのですから。

最後に、桜を見るなら静かなところでゆっくり見るのが一番だと思うのです。ゴミのような人間がわんさといるところでもなく、趣味の悪いBGMが流れているところでもなく、安っぽいオードブルが並べられているところではなく。

セネカは「自分の時間」を大切にすることを繰り返し説いています。

https://tiberius-caesar.com/jikan-kakuho