株価暴落時に積極的に買い増しをするべきか?
「中くらいの勝利に満足する者は、常に勝者であり続けるだろう」-マキアヴェッリ
リーマンショック以来の下げ相場とも言われたNY市場は、うって変わって、1,000ドルを超える大幅な上昇となりました。それを受けて、東京市場も700円を超える上げ幅となり、2万円を回復しました。
とはいえ、いっときに比べれば、低い水準であることは間違いありません。こんなとき、積極的に買い増しにいくべきなのでしょうか、それとも、しばらく様子見をするべきなのでしょうか?
株式投資の基本は、安く買って高く売る
株式投資の基本は、何かと言われれば、「安く買って、高く売る」。これにつきます。そもそも、なぜ株式を買うのかと言えば、それが将来的に高い値段で売れることを期待して、そこで利益を上げようと考えるからです。
もちろん、配当金や株主優待を目的として、買う場合もあるでしょうが、大きな利益を上げようとすれば、買値と売値の差でもうけることになるでしょう。
その意味で、今回のように、大幅な下落があったときは、安く仕込むチャンスということで、積極的に買い増しをすることは、理にかなっています。もし、余裕資金があるのなら、買い増しをするのも一つの手だと思います。
しかし、問題は、その下落が「一時的なもの」なのか、「終わりの始まり」なのかが、分からないということです。ここが、難しいところです。
株価の今後の展開は、予測不能
以前にも、記事に書きましたが、株価の今後の予想をすることは、原理的に不可能です。
ですから、今回の下落にしても、一時的なものになるかもしれませんし、あるいは、リーマンショック以来続いてきた上昇相場の終焉を告げるものになるのかは、分かりません。
結局のところ、安値で仕込むと言っても、どこが「底」なのか分かりませんし、高値で売るといっても、どこが「頂」なのか、その時点では判断できません。あとから振り返って、「ああ、あのときが買い場(売り場)だったんだ」と思うだけです。
そういう意味で、タイミングを見計らった投資というのは、「ギャンブル」の要素が多分に多くなるのではないかと思います。
買い場だと思って、買い増しをしたら、さらにどんどん下落して損失を拡大するなんてこともあり得ます(欲を出してそうしたときは、たいていそうなる気がする(笑))
大切なのは、市場から「退場しないこと」
冒頭で紹介した中世イタリアの政治学者マキアヴェッリの言葉、「中くらいの勝利で満足するものは、常に勝者であり続けるだろう」というのは、投資家が心しておくべきものではないかと思います。
欲が出て、大勝をねらえば、とんでもない損失を招くリスクがあります。常に、「ほどほど」を意識しておくことが大事です。
長期投資を前提とするインデックス投資では、市場から退場しないことが重要になります。大損を出して、市場から退場することになっては、元も子もありません。
ですから、私の方針としては、市場の動向に左右されず、毎月一定額の積み立てを継続すること、これがよいのだと思います。
無理のない範囲で、自分で決めたルール通りにコツコツ続けること、これが成功への道だと信じてこれまで通りの投資をしていきたいと思います。
こんな記事も書いています。株式市場の将来を予測することは大変困難です。