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【書評】『お金は寝かせて増やしなさい』はインデックス投資の入門書

私が「インデックス投資」というものを知ったのは、水瀬ケンイチ氏著の「お金は寝かせて増やしなさい」でした。

タイトルだけみると、なんだかマルチ商法的なアヤシイ感じがしたのですが、内容が気になって手にとってみたのです。

ちょうどセミリタイアしたいという思いが形になりつつあったころで、資産運用や投資もやらないとなぁとぼんやりと思っていました。とはいえ、何から始めればいいのか見当もつかない状況。

「お金」に対する関心が高まっていたからこそ、ちょっと怪しいと思いながらも手が伸びたのだと思います。

結果的には、セミリタイアに向けた投資を始めるきっかけを作ってくれた本となりました。これから投資を始めてみたいという人や、とりあえず証券会社に口座を作ってみたけど、ここからどうすりゃいいのという人には、心強い道しるべに最適なバイブルになると思います。

著者の水瀬ケンイチさんについて

1973年生まれということですから、2019年現在で46歳でしょうか。会社員として働いている一方で、インデックス投資を約15年ほど前から実践されています。水瀬さんが運営されているブログ「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」は、インデックス投資家のバイブル的ブログになっています。

「お金を寝かせて増やしなさい」では、インデックス投資の基本から実践の方法として自分のリスク許容度の測り方、アセットロケーション(資産配分)の考え方まで丁寧に解説されています。

インデックス投資では、ひたすら投資信託などを積み立ててあとはまさに「寝かせておくだけ」というシンプルな投資法なのですが、シンプルであるだけに本当にこれでいいのか不安なことも最初は多いと思います。

私もこの本を何度か読み返し、自分なりのインデックス投資のやり方を見つけることができたかなと思います。

参考になる情報が盛りだくさん

そのほか、インデックス投資と相性のよい「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」といった非課税制度についても解説されていますし、おススメの証券会社としてSBI証券と楽天証券についても紹介されています。

また、「結局、何を買えばいいの?」ということになると思うのですが、この本の中では、具体的におススメな商品も紹介してくれています。ただ、2017年12月に発売された本ですので、その後にも魅力的な商品が出てきており、情報としては少し古くなっているかもしれません。とはいえ、信託報酬(運用コスト)が安いものを選ぶという考え方は変わっていませんので、そのときそのときに応じた商品を選べばよいと思います。

インデックス投資15年の実践記

この本で他にはない特徴として、著者の水瀬さんの実際の15年に渡るインデックス投資の実践の記録を読むことができます。

本当に山あり谷ありの波乱のインデックス投資記録なのですが、なんといっても「リーマンショック」をモロに体験していることは特筆すべきことだと思います。

リーマンショックのあった2008年には、資産がマイナス53%という大暴落を経験されています。本には、元本と時価のグラフが経年で記載されているのですが、時価が元本をざっくりと下回っているのは、かなり"エグイ"画面です。もし、自分が同じ状況になったらどうだろうと思わずにはいられません。

その後も、ギリシャショックや東日本大震災など様々な状況下を乗り越えて、現在は元本を回復し、含み益もかなり出ているようです。

こういった実践記は、インデックス投資をするにあたっての心づもりをする上で大変貴重な記録だと思います。本当に世の中って次から次へといろいろなことが起こるということ。そして、それに伴って経済や株価も上下することがよくわかります。水瀬さんがどんな状況でも投資を続けたということが、最後にはドーンと利益があがる下地をつくったと言えるでしょう。インデックス投資とは、「忍耐」であるということを改めて感じることができます。

投資を始めるなら読んでおいて損はない本です

ここまで紹介したとおり、インデックス投資をするにあたって必要なことはすべてここに書いてあるといってもよい優れた本だと思います。

実際に15年に渡って実践し、良いことも悪いことも経験されているからこその説得力があります。

是非ご一読ください。

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