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【書評】思い立ったら隠居-週休5日の快適生活を読んだ感想

最近、書店で見つけた本です。

[rakuten no="9784480436849" shop="book" kw="思い立ったら隠居 週休5日の快適生活 (ちくま文庫 おー72-2) 大原 扁理"]

以前にも紹介した「年収90万円でハッピーライフ」と同じ著者である大原さんの著書です。

https://tiberius-caesar.com/nensyuu90-shohyou

週2で働き、あとはのんびり暮らすというライフスタイル。著者は、それを「隠居」と表現されています。

個人的には、「隠居」というよりは「半隠遁」のほうが感じが出ているようにも思いますが、それは、まあ、どうでもよい。

本を出版した順番としては、「年収90万円ー」のほうがあとだったらしく、それに比べるとやや内容は薄いような気はしましたが、それがまた「ゆるい」感じで、ささっと読めてしまいました。

この本をおすすめする人の特徴

今回の著書でおもしろかったのが、本書をおすすめする人の特徴。

・新しい自分に出会いたくない ・限界を突破したくない ・面倒くさいから何も誰も引き寄せたくない ・むしろ友達100人減らしたい ・わざわざぜいたくする意味が分からない ・夢も目標もないけど、それのどこが悪いのか

おもしろいくらいに自分に当てはまるので、「あぁ、これは自分のための本だなあ」と思いました。

世間一般では、「ダメダメ」と言われてしまう価値観ですが、気持ちのいいくらいあっさりとした感じです。何の確証もないですが、世の中の多くの人もこういうふうに考えている人も結構いそうな気がします。「公式的」には口には出せないだけで。

やろうと思えば生きていける

「隠居」の生活ぶりは、セミリタイアを目指すひとに大いに参考になることでしょう。

1カ月の生活費は7万円代。これで別に無理をしているわけではない様子ですし、食糧は「野草」を採集したりと、生活を楽しんでいる様子。個人的にはそこまでしたくはないけれど。

テレビもスマホも持たない「超自然」に帰ったような生活です。余計な人間関係からも解放されている様子が垣間見えますが、「隠居」や「セミリタイア」のメリットはやはりそこにあるように思います。人間のストレスの多くは、「人間関係」なのですから。

隠居することで、その部分を自分の好きな分量に調整して最小限にできます。

セミリタイアというと、生活に困らないだけの資産を形成して、というイメージがありますが、著者の場合は必ずしもそうではないのが興味深いところ。一定の貯金をしているようですが(著者も「虎の子貯金は必要です」と一定の貯金をもっておくことの重要性を説いています)、何千万円というものではありません。

それで不安ではないのかなと思いますが、なるようにしかならないというある種の諦観も感じるあたりが、やはり前世が「お坊さん」と言われるだけのことはありそう。

「お金なんてそんなになくても生きていけますよ」を地で行く感じに感銘を受ける人は、きっとセミリタイアに向いている人なんだろうなと思います。

[rakuten no="9784480436849" shop="book" kw="思い立ったら隠居 週休5日の快適生活 (ちくま文庫 おー72-2) 大原 扁理"]