セミリタイアにいくら必要?30代・40代・50代の年代別必要額を逃げ切り計算機で試算
セミリタイア関係でやはり気になるのは、「結局いくらあればいいの?」ということです。
当ブログのアクセスが多い記事も「逃げ切り計算機」や「40代であれば4000万円あればセミリタイア可能!」といったものです。
みんな気になることは同じです。
そこで今回は、30代・40代・50代でセミリタイアしようとすれば、いくら必要なのか試算してみたいと思います(独身の場合を想定しています)。
前提となる条件
まずは前提となる条件を決めておきたいと思います。年齢以外のファクターを固定することで、年齢でどれくらい必要額が異なるのか比較することが可能です。
想定する生活費
何といってもまず想定すべきなのは、必要な生活費です。当然のことながら、生活費が多ければ必要となる資産額も大きくなりますし、少なくすむならば資産額も少なく済みます。
以前にセミリタイア後の生活費をシミュレーションしたことがあります。
https://tiberius-caesar.com/seikatsuhi-semiriaia-sishan
この中では、月の生活費を12万円、年間で150万円あればよいという結果になりました。
国民年金や健康保険にきちんと納めるとして試算しています。
住居費 | 50,000円 |
食費 | 25,000円 |
光熱費・通信費 | 15,000円 |
国民年金 | 17,000円 |
国民健康保険 | 7,000円 |
その他雑費 | 6,000円 |
合計 | 120,000円 |
個人的にはこれでも十分できると思っていますが、今回は念には念を入れて、年間生活費を+50万円して、200万円として試算したいと思います。月あたりで17万円ほどの計算ですね。
余裕のある生活とは言えないまでも、日々の生活は十分できる水準ではないかと思います。
セミリタイア後の収入
「セミ」リタイアですので、ある程度の労働収入を見込みます。一体いくらくらいが妥当なのかは、人によりけりになります。
できるだけ働きたくないという人もいれば、無理のない範囲でできるだけ働きたいという人もいるでしょう。
私個人的には、月に5~6万円くらいがいいなあと思っています。
現在の国民年金の支給額は、満額納付していた場合は月におよそ6.5万円ほどです。
まあ、年金相当額くらいは稼いでおこうという感じで、月6万円としてシミュレーションしたいと思います。
年間で72万円ですので、年間生活費200万円からの不足額は、128万円になります。この額が取り崩し額になります。
年金をいくらもらえるのか?
続いて年金について想定します。もちろん、今後は制度がどうなるかわかりません。支給額が減額されるかもしれませんし、支給開始年齢も引き上げられるかもしれません。
どうなるかを考えても仕方がありませんので、とりあえず現状の制度が継続するとしてシミュレーションしてみたいと思います。
三井住友銀行の年金シミュレーションで計算してみたいと思います。
ここでは年収を入力する必要があります。この記事によると、年代別の中央値は以下のとおりとのこと。これを使って年金額を試算してみます。
年齢 | 年収中央値 |
30代 | 約410万円 |
40代 | 約520万円 |
50代 | 約530万円 |
これを使って年金額を試算してみます。生活費(月17万円)との不足額が取り崩し額となります。
年齢 | 年金額(月) | 不足額(月) | 不足額(年) |
30歳 | 7.6万円 | 9.4万円 | 112.8万円 |
35歳 | 8.2万円 | 8.8万円 | 105.6万円 |
40歳 | 9.6万円 | 7.4万円 | 88.8万円 |
45歳 | 10.4万円 | 6.6万円 | 79.2万円 |
50歳 | 11.5万円 | 5.5万円 | 66万円 |
55歳 | 12.9万円 | 4.1万円 | 49.2万円 |
当然のことながら退職する年齢が高いほど、年金額も多くなります。
想定利回りをいくらにするのか?
資産の利回りはどれくらいを想定するのがよいのでしょうか。ここでは以下の条件で想定したいと思います。
- 保有資産の25%を無リスク資産、75%をリスク資産
- リスク資産のリターンは、3%で試算
この割合は何か理由があるかというと、特にはありません。これくらいかなという感じです。
リスク資産は、株式への投資を想定しています。株式のリターンは3~7%くらいかと思いますが、厳し目に3%としてみたいと思います。
資産全体のリターンを計算するには、次のようにします。(無リスク資産のリターンは0%とする)
0%×25%+3%×75%=2.25%
資産の取り崩しは、無理リスク・リスク資産の割合を固定して取りくずしていくと仮定します。
年代別の必要額を試算する
では、年代別の必要額を試算してみたいと思います。
具体的には「逃げ切り計算機」を使いたいと思います。(インフレ率は0%として試算します)
- 年金受給までの生活費は、上記で求めた不足額の金額(年128万円)を入力します。
- 65歳以降の年金受給額は、上記で求めた年代別の金額を入力します。
- 年金受給開始後の年間生活費は200万円(受給開始前と同じ生活費額、バイトはしない)
- 95歳時点(年金受給から30年)で資産が残っている金額とします。
- 資産額を一回ずつ入力して確かめていくので、100万円単位になることを許されるよう。
- 比較として資産をすべて無リスク資産で保有する場合の必要額も出します。
セミリタイア開始年齢 | 利回り0% | 利回り3%(2.25%) |
30歳 | 7,800万円 | 4,500万円 |
35歳 | 6,900万円 | 4,300万円 |
40歳 | 5,800万円 | 3,900万円 |
45歳 | 4,900万円 | 3,400万円 |
50歳 | 3,800万円 | 2,900万円 |
55歳 | 2,700万円 | 2,200万円 |
当然のことながら、資産運用でのリターンを加味した場合のほうが、セミリタイア時点での必要額は少なく済みます。
特に早い年齢で開始する場合には、大きな差が生じていることが分かります。つまり、その後の運用可能期間が長いために必要額も相対的に少なく済むということですね。
注意点
ここまで試算した結果はひとつの目安になると思います。ただ、注意点がいくつかあります。
注意点①95歳で資産が残っている場合の数字
注意点としては、「95歳時点で資産が残っている」場合の金額だということです。つまりは、95歳時点で0になっていないというだけなので、実際には1円の残高でもOKという状態です。
95歳まで生きる心配をするかどうかは、人それぞれだと思いますが・・・
注意点②年金制度が将来どうなっているか不明
2つ目の注意点としては、年金制度を現在と同じものが維持されているとの前提であることです。
つまり、65歳受給開始といった点や、受給見込み額も現在の制度が前提となったものです。
周知のとおり、厳しい年金財政が今後も予想されており、受給開始年齢の引き上げや受給額の減額も大いにあり得ます。
年金の見積もりももう少し厳し目に想定しておいてもよいかもしれません。
注意点③株式のリターンは分からない
当然のことですが、今後の株式のリターンは未知数です。これまでがそうだったからといって、今後もそうだとは限りません。
とはいえ、今回の試算では株式=リスク資産の期待リターンを「3%」として見積もっているので、保守的なほうだと思います。
アメリカや先進国に投資するインデックス投資であれば、長期的には十分見込める数字ではないかと思います。
幸運にも5%や7%のリターンが結果として得られたのならば、95歳時点でもかなりの資産が残っているでしょう。
やはり5000万円が安全圏か
今回の結果を見て、個人的にはやはり5000万円用意しておけば、安全圏と言えるのではないかと思いました。
30代でセミリタイアするならば、4000万円代の金額が必要との結果でしたが、それプラスアルファで5000万円というわけです。
セミリタイア関係では、「4%ルール」といって毎年試算の4%取り崩していく形であれば、大丈夫という理論があります。結果として、年間生活費×25年分の資産があれば退職してOKと言われています
もし、年間生活費が200万円であれば、200万円×25=5000万円となりますので、やはりそうかなという感じです。
まずは5000万円を目指したいと思います。