MENU

私が20代からセミリタイアを計画した理由

あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に分かれる。自分の一日の三分の二を自己のために持っていない者は奴隷である。 ー ニーチェ

このニーチェの言葉が、なんと残酷な現実を暴き出していることでしょう。会社に勤めている人は、ニーチェの定義によればみんな残らず「奴隷」ということになります。まさにこれが、私がセミリタイアを思い立った理由のすべてであると言っても過言ではありません。奴隷から「自由人」へと転身すること、それがセミリタイアだと思っています。

私は、20代後半の会社員ですが、40代前半でセミリタイアすることを計画しています。今回は、その思想に至った経緯を含めて、20代からセミリタイアを想定した人生設計をすることについて、書きたいと思います。

自分の能力のなさに絶望した

私は、今の会社に勤め始めて6年になります。元から、この会社に入りたかったわけではなく、就活で唯一内定をもらったところだったからに過ぎません。

もともと、働くということに対して、ネガティブな感情を持っていましたので、就活もうまくいきませんでした。なにしろ、会社に行きたくないと思いながらですから(当時から会社に行きたくないと思っていたのです!)、志望動機や自己アピールが頭に浮かぶわけもなく、その場を取りつくろうようなありきたりのもので、面接に臨んでいました。

企業の人事担当の人などは、私のこういった思いを感じ取っていたのでしょう。全く受かりませんでした。

周りの人たちは、どこそこである説明会に行ったとか、OB訪問をしたとか、ごく当たり前のようにやっていましたし、志望動機などもまことにそれらしいものを言っていたんだろうなあと思いますが、私にはどうもそういった感じが合わなかったように思います。

どうしても、面接でも「結局、建前をお互いに言っているだけだろう。」「心にもないことを、それらしく言っているだけだろう。」という思いが心の中にあり、それが雰囲気に出てしまっていたのかもしれません。すべてが、「ウソ、ウソ、ウソ」にしか思えなかったのです。

結局、今の会社だけなぜか内定し、就職することになりました。

しかし、自分が仕事ができないことには、割とすぐに気付きました。自分の考えがないので、自分で判断することができないのです。周りの人や上司に頼ってばかりで、なんとかその場しのぎで乗り切ってきました。若いうちは、まだそれでも通用するかもしれませんが、これから中堅になっていけば、そういうこともできなくなってくるでしょう。今でさえやっとこなしているのに、さらに困難な仕事を割り当てられるようになると思うと、とてもやっていく自信がないのです。

会社に40年も勤めることに絶望した

そう思うと、定年まであと40年も会社に勤めることに、絶望感を感じました。最近では、「人生100年時代」などと言って、高齢になっても働くように促しています。これは、労働人口が減れば、社会保険料を納める人がいなくなって、社会保障制度が破綻してしまうため、できるだけ長く働かせて、社会保険料を取ろうという魂胆であると思うのですが、私の頃になると、定年は70歳とか75歳くらいになっているかもしれません。

そんなのは、「イヤだ、自由になりたい」という思いが、沸々と湧いてきたのです。1日の3分の2を自分のために使えず奴隷のような生活を40年以上もしたくない、そう思ったのです。

この広大な、そして何百億年という時間の長さをもつ宇宙で、たかだか与えられた100年足らずの時間を、どうでもよいことに費やして死んでしまうことが、心底むなしくなってしまったのです。

加えて、前述のように、自分の仕事のできなさ、将来のなさに絶望しておりましたので、セミリタイアという概念が自然と受け入れることができたのです。

これからの人生は、「いかに早く会社をやめるか」に取り組む

こうして、セミリタイアを決意したのです。これまで、なんとなく生きてきました。よく、夢や目標を持って生きようなどと調子のよい、口先だけの薄っぺらい言葉をのたまう人がいますが、私にも夢と目標ができました。それは、早く会社をやめることです。そのために、努力をしていこうと決意したのです。

20代でセミリタイアという概念と出会えたこと、自分の仕事の能力のなさに気づけたことは、とても幸運だったと思います。資産形成していくには、時間がかかります。20代というまだ若いうちから、資産形成に向けた取組を始めることは、早期のセミリタイアに向けて、とても大切です。こういった考えに至らなければ、つみたてNISAやiDeCoといったものを知らないまま生きていたかもしれません。

いずれにせよ、まだ始まったばかりです。セミリタイアに向け、自由を手に入れるために、人生を生きていきたいと思います。