MENU

結婚式に参列すると、なぜ居心地が悪くなるのか?

ドラマ「まだ結婚できない男」を見ています。

先日の第8話では、阿部寛さん演じる桑野が、設計会社を共同経営する塚本高史さん演じる村上の結婚式に参列し、主賓としてあいさつをするというものでした。

あいさつのメモを無くして、結局アドリブであいさつをすることになった桑野。「結婚はどうなっても自己責任」とか、「離婚することになっても優秀な弁護士がいる」など、周囲が心配していたとおり、微妙な雰囲気になる。

でも、その後は15年前桑野の元にきた村上をダメダメだったといいながら、そんな彼のおかげで自分もここまで来れたこと、彼はどんなつらいことからも逃げなかったことを語ります。だから、きっと結婚生活でつらいことがあっても彼は逃げない、それは自分が保証すると。そして、最後に「おめでとう」と(ぼそっと)言うのです。

ドラマとはいえ、なかなかいいあいさつだなと思いました。ドラマだからこそ、こんなあいさつができるのだろうと思いますが、普通はこんなことはありません。

結婚式のあいさつなどを聞くと、感動というよりは、むしろ私などはとても居心地が悪くなるのです。この違いはいったい何なのでしょう。

居心地が悪い理由

私もこれまで、3度(3度も!)結婚式に参列したことがあります。いずれも、会社の関係で参列したもの。職場の先輩や、同期の結婚式でした。

私などは、「人生を半分降りる」という観点からできるだけ冠婚葬祭には出席したくないところ、「人間観察」という名目で参加してみたのですが、いずれも「やっぱり来なければよかった」という感想になったのは共通。

なぜ、そうなるのかと考えてみるに、それは「良いことしかない」という狂信にも似た雰囲気に圧迫されるためであるように思います。

誰も彼も、「めでたい、めでたい」と、まるで悪いことは一切ないというような明るい雰囲気。何もかも前向きに、明るい方へ明るい方へ導こうとする。

考えてみれば、人生何があるか分からないし、離婚するかもしれないのに(私が出席した結婚式の夫婦の1組は、すでに離婚している!)

将来のことを考えると、そうそう楽観的にはいられないであろうに、みんな縁起の悪いことは徹底的に避けようとする。

その「明るく振舞う」というゲーム(演技)をすることに大層疲れてしまう。周りの人がみんな演技だと思うと、白々しく思えてしまい、むしろ醒めた気分になってしまうのです。

そして、極めつけが「あいさつ」なのです。

「あいさつ」にこびりつく虚飾

だいたい新郎の上司などがあいさつをすることが多いと思いますが、そこも「良いこと」しかないという感じ。

新郎がいかに優れた人物か、いかによく仕事をしているか、いかに人間がいいかといったことを恥ずかしげもなく並び立てていく。言っていて恥ずかしくならないのか、そして言われた新郎も恥ずかしくならないのか不思議です。

「まだ結婚できない男」の桑野のあいさつと違って、まったく感動しないのは、その言葉にまったく真実味がこもっていないから。テンプレートな言葉が並ぶ上に、持ち上げることしか考えていないから、聞いていても絶対話を盛っているとしか思えなくなる。

そこにべたべたとこびりつく虚飾には辟易します。

さらに、その結婚式が、あるいは葬式や何かのパーティが社会的に地位が高い人のものになると、あいさつや会の雰囲気に漂うその虚飾には反吐が出る思いになります。

結婚式には行きたくない

思えば、これまで小学校を始めとしていくつかの学校に入学し、そして卒業してきました。入学式や卒業式で、校長先生が話をしたはずですが、そのどれも全く記憶に残っていない。

なぜなら、これらも同じように真実味がなく、「こう言っておけば問題ない」というものばかりだったからでしょう。だから、全くと言っていいほど「身体」に刺さってこない。虚飾にまみれていたことを子供ながらに分かっていたのかもしれません。

その正確な延長上に結婚式などのあいさつが位置している。

まあ、そういったものを敏感に感じる私などは少数派で、ほとんどの人は疑問にすら感じないのかもしれません。結婚式に行けば自然とぱっと笑顔になり、葬式に行けばすっと悲しい顔ができるような人。そして、そのことに露ほどの疑問を持たない人々。

感受性が全然ちがうようですから、なるべく関わらないほうがお互いのためというもの。早くセミリタイアして、結婚式の招待状が来ないようにしたいなあ(今もあまり誘いはないのですが。順調に社会から転落しているようで、なによりです)

↓人間観察を兼ねて結婚式に参加した結果

https://tiberius-caesar.com/kankonsousai-jinsei

https://tiberius-caesar.com/kankonsousai2-jinsei