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「令和不況」がやってくる可能性はかなり高いかも

平成31年4月1日に、5月1日から使われる新元号「令和」が発表されました。テレビでは、朝から各局が中継を出し、さながら国の一大事といった感がありました(それにしても、騒ぎすぎで少々滑稽にも見えました)。

それはさておき、投資を行っている身として気になるのは、令和時代の景気がどうなるのかということです。「改元景気」などといって期待する声もあるようですが、実際はどうなるか。個人的には、令和への改元早々に厳しい現実が待っているのではないかという気がします。

景気は気からとはいうものの・・・

令和への改元が発表された4月1日の東京株式市場は、「ご祝儀相場」ということで、一時470円ほどの上げ幅を見せ、終値も300円ほどのプラスになりました(翌4月2日は、小幅な値下げ)

このように一時的には、プラスになることもあるとは思いますが(実際に改元された後の5月最初の取引もプラスになるかも)、改元されたからといって実体経済になにか変化があるわけではありませんから、実態が伴ったものではまったくありません。もちろん、一部の目端のきく企業は「改元特需」で儲けるところはあるでしょう。

そうは言っても、「気持ちの問題」であることには変わらないと思います。

むしろ、実体経済の方はかなりリスクをはらんでおり予断を許さない状況ではないかと思います。

消費増税がトドメをさすか?

まず、世界経済の抱えるリスクとしては、イギリスのEU離脱問題がいまだに解決していません。延期をしているものの、離脱協定案がことごとく否決されており、もうどうにもならないのではないかと思わせている。「合意なき離脱」となれば混乱は必至で、世界経済の大きなリスク要因となっています。

加えて昨年から続いている米中貿易摩擦の問題。中国経済の失速も見えていますし、一人勝ちの感もあるアメリカ経済もいつまで続くかは分かりません。アメリカ経済は、リーマンショック以来10年にわたる上昇基調にありますが、そろそろ減速していってもおかしくないのではないのでしょうか。アメリカ経済が不調になれば、日本も連られて失速するのは目に見えています。

そして、一番の懸念が令和元年10月に予定されている「消費増税」です。おめでたい改元早々に、増税で庶民を苦しめるというのも皮肉な感じもしますが、実行されれば景気を腰折れさせるには十分なインパクトでしょう。

ポイント還元などの対策もされるようですが、「10%」のインパクトはデカイ。算数の苦手なおバカさんでも税額がすぐ計算できてしまうのが地味に心理的な影響を及ぼしそうな気がします。

本当に増税するんですかね。

また、来年2020年(令和2年)の東京オリンピックが終わると本格的な「令和不況」になる可能性があります。オリンピックに伴う公共事業や特需が終了してしまうこと、「お祭り」が終わったことによる国民全体の「虚脱感」でなんだか「シーン」としてしまいそう。景気は気からでもあるのです。

こうした要因が組み合わさって、早々に「令和不況」と呼ばれる状況になることは十分に考えれることです。振り返ってみれば、平成もバブル崩壊による「平成不況」「失われた10年」という激動の幕開けとなりました。まったく「平か」に「成ら」なかったですね。むしろ、災害ありリーマンショックあり、テロありという激しい時代であったともいえます。

良い時代になってほしいけど・・・

ここまで、ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、もちろん令和時代もよい時代となってほしい。

一方で、考えてみれば、これまで命名された248の元号も「良い時代になってほしい」という願いを込めて名づけられてきたのです。しかし、その願いと裏腹に現実は甘くないということも示してきました。戦乱あり、災害あり、不況あり、飢饉あり…

どの時代においてもリスク要因は存在しています。全てが全て良い状態ということはまずあり得ません。その意味で、「令和」だけが特別なのではなく、これまでも、そしてこれからも厳しい現実から目をそらさずに生きていかなければならないということなのでしょう。

「令和」時代が終わるころに、どのように振り返っているのでしょうね。